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2017年4月2日

『採暖と暖房』

以前、作品の見学させていただいたこともある、山本亜耕建築設計事務所の山本先生のブログで、この雑誌が紹介されているのを見て、慌てて取り寄せました。

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建築知識ビルダーズ 第28号です。

私の大学時代の恩師の荒谷登先生の特集が掲載されているとの事。

ページをめくると、荒谷先生のお宅の写真がたくさん掲載されていて、懐かしい思い出がたくさんよみがえってきました。

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もう、30年近く経ってしまいましたが、

私が建築学科に入ってすぐの「建築環境学」の講義で、初めて荒谷先生のお話を聞き、とても面白いと思いました。

北海道でそれまで行われてきた暖房は、実は寒さの中に熱いストーブがある「採暖」で、本当の「暖房」とは室内に寒さがない状態である事などなど。

荒谷先生の語り口はとても穏やかで、講義ではついつい眠ってしまう生徒が多い中、私は雑談まで聞き逃すまいと、細かくノートを取っていました。(試験近くなるとクラスメートにノートを貸して、重宝がられていましたが!笑)

4年生になって荒谷先生のゼミ生となり、ご自宅を見学に行きました。手稲の駅を降りて、坂を上がって行くと、堂々と姿を現したのを覚えています。

そこが、雑誌に特集されていた『旧荒谷邸』です。

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現在、北海道の住宅は断熱・気密において、全国トップクラスです。

それもこれも、荒谷先生の独特な価値観と研究があったからなのです。

その代表的な言葉が、『採暖と暖房』です。

隙間風が吹き込み、朝に枕元に氷ができるような家の中に、熱々のストーブが燃えていた時代を知っている方は、もう少なくなってきているでしょうか。冷え込む前の晩は、親が寝る前に水道の水落としをしていたものです。

そんな家が当たり前の時代、「全室を暖房しましょう」などというと、「なんぼ灯油代かかると思ってるんだ!」と拒否反応されました。そんな中、断熱気密化の理論を説き、本当の快適さとは何かを多くの人に伝えてきた、北海道の建築環境の教祖のような先生です。(現在、北海道大学名誉教授)

今現在、北海道の新築では高断熱高気密化、全室暖房が当たり前となりました。

しかし、設計施工する業者にも正しい知識が必要とされ、間違った設計や施工をしてしまうと、きちんとした性能が発揮されない、不快な家になってしまいます。

また、住み手の皆さんにも、きちんとした理解が必要です。

快適性を高めるため、消費エネルギーを抑えるため、これからも取り組んでいきたいと思っています。

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荒谷先生、いつまでもお元気でいてください。